
初めて『仁王』に挑んだときの話
今でこそ「死にゲー」という言葉はすっかり市民権を得ましたが、私が『仁王』を遊んだ当時は、ここまで本格的に難しいとは正直思っていませんでした。
主人公は異国の侍・ウィリアム。戦国日本を舞台に、人も妖怪もまとめて敵として襲いかかってくる世界。最初は、和風の剣豪アクションくらいに考えていたんですが、すぐに甘かったと痛感させられました。
一撃が重い。雑魚でも油断したら終わり。最初に手こずったのは、たぶん多くの人もそうだと思いますが、大百足。毒と狭い足場、巨大な体躯に振り回されて何度も返り討ち。それでも挑み続けて、動きを覚え、立ち回りを工夫して、ようやく勝ったときの達成感。これが『仁王』の魅力なんですよね。
『仁王』が今なお輝いている理由

1. 戦って、成長して、勝つまでの手応えが濃い
このゲーム、最初は本当に勝てないんです。敵の動きも、一つひとつが重たく、こちらには「気力」という厳しい制限がかかる。焦って攻めれば途端に反撃を食らう。
けれど、構え(上段・中段・下段)の切り替えや「残心」の使いどころを覚えていくと、自分の中にリズムが生まれてくる。私は大百足で何度もやられたあと、改めて構えを意識し直しました。その結果、次に挑んだときは一発クリアできたんです。あの瞬間、自分の成長がはっきり実感できた。そういう手応えが『仁王』の根っこにはあります。
2. 戦国と妖怪、混ざり合う世界観
『仁王』は歴史とファンタジーの融合が絶妙です。織田信長や石田三成といった戦国武将が登場しつつ、その世界には鵺や鬼、ぬらりひょんといった妖怪たちが当たり前のように存在している。
一見すると奇妙な組み合わせなのに、実際にプレイしてみると妙にしっくりくる。重厚な歴史劇と妖怪伝承が違和感なく交わっていて、そこに独特の不気味さと和の趣が生まれている。Team NINJAらしいセンスが光っています。
3. やり込みの深さに底がない
『仁王』はただクリアするだけでは終わらないゲームです。装備厳選、スキル調整、オプション効果の組み合わせ……。理想の装備を求めて掘り続ける、いわゆるハクスラ要素も非常に強い。
私は結局、DLCまで含めて全部やり尽くしました。やればやるほど奥が深く、気付けば時間を吸われ続けている。そういう中毒性があります。
4. フロム作品とは違う『仁王』ならではの個性
いわゆる「死にゲー」というと、やはりフロム・ソフトウェアの作品が真っ先に思い浮かびます。ですが『仁王』は、ただ高難易度なだけではありません。アクションRPGというよりは、ハクスラ(ハック&スラッシュ)寄りの設計がされていて、ビルドや装備厳選に強い中毒性があります。
また、構えや残心といった要素が加わることで、単なる「ローリング回避ゲー」ではない独自のリズム感が生まれているのもポイント。武器ごとに立ち回りが大きく変わるため、自分のスタイルを見つけていく過程がとにかく楽しい。
このあたりは、世界観も含め、フロム作品とはまた違う『仁王』ならではの味わいです。
改めて今『仁王』を遊ぶ理由
今になって思うと、和風の本格死にゲーとしての完成度は、やはりこの時点で非常に高かった。『SEKIRO』や『ELDEN RING』のような洗練された後続がある今でも、『仁王』の持つ泥臭さ、手探りで掴んでいく戦い方の面白さは色あせていません。
マップ構成も敵配置も丁寧に作り込まれていて、何度も挑戦したくなるリプレイ性がある。私は今も、ふと戦国時代を題材にしたアクションを遊びたくなったとき、このゲームを思い出します。初心者向けの救済はないけれど、そのぶん突破した時の快感は大きい。今でも十分通用する名作だと思っています。
今から遊ぶならこの環境
- PS4版(PS5互換OK)
- PS5版 コンプリートエディション(DLC収録)
- PC版(Steam対応)
最新ハードならロードも快適で、ストレスなく楽しめます。今は価格も落ち着いていて、手に取りやすい1本です。
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