「PlayStation Vita TV(以下Vita TV)」は、2013年にソニーから発売された据え置き型のゲーム機です。携帯機であるPS Vitaをベースにしながらも画面を省き、テレビにつないで遊ぶという少し変わった発想で生まれました。発売当時は戸惑う声もありましたが、今では価値が見直されているハードです。
Vita TVとは?

Vita TVは手のひらサイズのコンパクトな本体で、HDMIケーブルをつなげばPS Vita・PSP・PS1のソフトがテレビで遊べるというもの。シリーズ唯一の据え置きモデルで、「持ち歩くVita」とはまた違った楽しみ方を提案してくれました。最初は「小さすぎて大丈夫?」と思ったのですが、実際につないでみると意外と頼もしい存在でした。
発売日と価格
Vita TVは2013年11月14日に日本で発売。当時の価格設定はかなり抑えめで、据え置き機としては手を出しやすいものでした。
商品名 | 発売日 | 価格(税込) | 内容 |
---|---|---|---|
Vita TV 本体 | 2013年11月14日 | 9,954円 | 本体+電源ケーブル |
Vita TV Value Pack | 2013年11月14日 | 14,994円 | 本体+DualShock 3+8GBメモリーカード+HDMIケーブル |
「Value Pack」は周辺機器がそろっていて、買ってすぐに遊べる便利さがありました。この価格帯でPSPやPS1まで大画面で遊べたのはかなりお得でした。
できること一覧
- PS Vita専用ソフトをテレビでプレイ(タッチ操作必須の一部タイトルは非対応)
- PSPのダウンロード版ソフトをテレビで遊べる
- PS1クラシックスの豊富なタイトルに対応
- 動画配信サービスの利用(YouTube、ニコニコ動画、Huluなど/現在はサービス終了済み)
なかでもPSP、PS1のソフトをプレイできることは今では大きなメリットでしょう。遊び方はこちらの記事を参照ください
据え置きで遊ぶメリット|アクションゲームに最適

携帯機のPS VitaやPSPは手軽ですが、アクションゲームを長時間やるとボタンやスティックの小ささが気になることもありました。素早い入力を続けると、どうしても指が疲れてしまいます。
その点、Vita TVはDualShock 3やDualShock 4で操作できるので快適さが段違いでした。私も『ゴッドイーター2』や『朧村正』を大画面で遊んだときは「同じソフトなのにこんなに違うのか」と驚きました。特に朧村正は和風の美しいグラフィックがテレビ画面に映えるタイトルで、携帯機の画面よりも迫力が増し、操作もぐっと快適に感じられました。
当時の空気感と意外な魅力
発表当初は「携帯機をそのまま据え置きにするなんて」と意外に思った人も多く、私の周囲でも「どのくらい使う場面があるんだろう」という反応がありました。対応ソフトが限られていたのも不安材料でした。
ただ、実際にHDMIでつないでみると小ささと手軽さに驚かされました。普段は携帯機で遊んでいたゲームがテレビに映るだけで新鮮に感じられ、据え置きらしい遊び方ができるのがちょっと面白かったんです。派手ではないけれど、ゲームの遊び方を広げてくれる存在だったと思います。
対応コントローラー
発売当初はPS3用のDualShock 3に対応していましたが、後のアップデートでPS4用のDualShock 4も使えるようになりました。PS3のコントローラーをいまから探すのは難しいかもしれませんがPS4のコントローラーも使えるとなると今使ってるもしくは押入れのどこかにあるコントローラーでも操作することができるうれしいアプデです。
非対応タイトルの例
Vita TVはPS Vitaの全ソフトに対応しているわけではなく、タッチやモーション操作を多用するゲームは非対応でした。これが当時の販売面でネックになったのも事実です。代表的な例は以下の通りです。
タイトル | 発売年 | 非対応の理由 |
---|---|---|
GRAVITY DAZE | 2012年 | ジャイロやタッチ操作が必須 |
アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり- | 2011年 | 背面タッチやモーション操作が多い |
みんなのGOLF 6 | 2011年 | 一部モードでタッチ操作必須 |
ラグナロク オデッセイ | 2012年 | UIにタッチ操作依存 |
こうした制約があったため、発売当時は「全部のソフトが遊べるわけじゃないのか」と肩透かしをくらった人もいたはずです。とはいえ、この不完全さも含めて今ではVita TVの個性として語られることが多いように思います。
現在の中古市場と評価
2025年現在、Vita TVは中古市場で価格が高騰しています。当時1万円前後だった本体が、今では3万円以上することもあるほどです。
もちろん、PS1やPSPをテレビで遊べる公式手段はVita TVだけではありません。PS3のゲームアーカイブスを利用すればPS1クラシックスを遊べますし、PS Plus プレミアムプランでも一部のPS1・PSPタイトルが配信されています。ただし、Vita TVは実機ベースでソフトを起動できる点が大きく異なります。特にPSPのダウンロード版をそのまま購入してテレビで遊べる公式ハードはほとんどなく、この点がレトロゲーマーから注目されている理由の一つです。
まとめ
Vita TVは、発売当時は「中途半端なハード」と見られがちでしたが、今振り返ると「テレビでPS Vita・PSP・PS1を遊べる公式ハード」という価値を持つ存在です。アクションゲームを大画面とフルサイズのコントローラーで楽しめるのも据え置きならではの魅力でした。
いまでこそ再評価されているハードであり、レトロゲームファンやコレクターはもちろん、「PSPのダウンロード版を今も持っている人」「アクションゲームを大画面で快適に遊びたい人」にとって特におすすめです。中古価格は上がっていますが、見つけたら確保しておいて損はないと思います。
©Sony Interactive Entertainment Inc.
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